世間話の大切さを実感

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※写真の商品は、文中のバッグと関係ありません。
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バッグのダイヤル錠が壊れたと、お困りになってご来店。
３個のダイヤル下に有る丸いポチが動かない。
本来は、この丸いポチを指で下げて解錠する。
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不思議な事が起きるものだ。
ビクとも動かない。
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バッグはハオブランド。
お買上げ時はダイヤルが全て「０」になっています。
持ち込まれたバッグを見ると、ちゃんと０です。
力を入れて無理に閉めると、一応ロックされたかのような感触。
なのですが、使うとカパッと外れて開いてしまう。
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「これは錠前が壊れてしまったのだ！」
お客様の自信ありげな判断に、私もそう思いました。
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新しい錠前に付け替えるしかなく、修理代がかさむ。
申し訳ない思いが湧く。
もう何年間も使用されたのだから、いたし方ないか・・・
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と思いながら、そのお得意様とチラホラ言葉を交わす。
「酔っ払った時、ダイヤルを無意識に触ったみたい」
それで開かなくなって、誰かに開けてもらった事があると話される。
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ん？？
原因は、それだっ!!!
･･･・しかし証拠が無いから、今日は黙ってそのバッグをお預かりすることにしました。
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解った！解った！！ひらめいた。
ダイヤル錠は壊れてないのです。
さぁ～～～て、ここからが大仕事です。
何十通り？いやいや百通りは有るであろう、解錠できるダイヤルの数組み合わせを探らなくてはなりません。
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私は金庫破りのプロではありません。
鍵の110番業者でもありません。
気の遠くなる、いや、気が狂うばかりの作業をせねばなりません。
けど、どうしても直してあげたい。
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幸いにお得意様は急がないと言ってくれたので、コツコツ毎日少しづつやろう。
無駄だと思いがちな世間話をしたからこそ、原因が解った。
お医者様は患者さんとの、近況や世間話から病名を突き止めるらしい。
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まあ～それなら私は革製品のお医者様。
昨日も、革ジャケットのお手入れ法を聞きに男性がご来店。
頼られるのは有難いこと。
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