エレファント。
今では革の世界で最高峰のクロコダイルに並ぶ高値になりました。
30年くらい前まで、エキゾチィックスキンの中では、お手ごろ価格のポピュラーな革でした。
それが現地での乱獲により、アフリカ象絶滅の恐れが出て来ました。
乱獲の目的は高値で取引される象牙を得るためでした。
そこで象を守るべく、ワシントン条約で象の捕獲、輸出、輸入を全面禁止条例ができました。
日本でも象牙、象皮革は、それ以前に国内に存在したもの以外は、今後入って来る事が絶たれました。
象の輸出・輸入が犯罪に認定されたわけですから、その時点で国内に有る象牙、皮革は、とんでもない高級品となり価格が跳ね上がりました。
当時は新たに日本に入って来ることが今後皆無と思われたのです。
それはそれは幻に近い貴重品となったのです。
ところがその数年後、条例が変わりました。
象を保護したら、今度は個体数が増え過ぎて、現地で動物界のバランスを保てなくなったのです。
再びワシントン条約の改正が行われました。
増え過ぎを防ぐため、繁殖し過ぎた頭数を間引きすることに決まりました。
まことに人間の勝手で象の頭数が左右されます。