生地の条件は、
〇明かりを通さないこと。
〇表面がガサガサした革でも、袋の中で布目に引っかからないこと。
〇ハオのイメージカラー、ボルドーであること。
〇布であること。
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布って重たいですねぇ~
扱うのは力仕事です。ふぅ~~(汗)
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笑われると思いますが、各々のバッグに合わせたサイズの収納袋を、コツコツ店の奥で一枚一枚作っています。
古~い家庭用ミシンを活用しての収納袋縫い。(^^;;
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生地はエクセーヌ調(人工スエード)。
上部の紐を通す部分はサテン。
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エクセーヌ調布だけで作ると簡単で楽ですが、生地が肉厚で、口の紐を締めた時に隙間が出来るのです。
隙間から明かりが入り込み、革変色の原因になります。
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こんな手間の掛る収納袋作りを始めた理由は。
23年前に遭遇した出来事にあります。
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この業界では、一般的に既製の収納袋を使います。
特大~小までのサイズを袋業者から仕入れます。
アジアの方で量産された袋です。
23年前まではハオもそうでした。
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そんな時代に1人のお客様が、お買上げ頂いて1年後にそのバッグを抱えて見えました。
バッグが部分的に、無残にも変色してました。
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保管の仕方を聞きますと、購入時に入っていた袋に入れてタンスの上に置いてたとおっしゃる。
ハオでは、カビの原因になるから、箱やクローゼットに入れないようお願いしています。
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その時、差し上げた収納袋を手に取り明かりに向けると、明かりが布目から漏れるのです。
窓から陽が射し込む時もありますでしょう。
部屋の照明も点けます。
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革の変色は、明かりによる色焼けです。
まさしく収納袋のせいです。
お客様は購入時に入っていた収納袋を、当然信用します。
なら、そんな収納袋に入れてあげた当店に責任があります。
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そのバッグはオーストリッチ(駝鳥革)で大きめのバッグでした。
新たに1個同じ型のバッグを作って差し上げました。
同じ色の革が、どうしても手に入らなくて、別の色でお許しを頂きました。
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それ以来、業者から収納袋を仕入れるのを止めました。
私は、絶対にバッグを守ってくれる、拘りの袋縫いオバサンになりました。
偉そうな事を言いますが、収納袋はどこにも負けていません。
エルメスにも負けてません。(笑)
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定休日 火曜・水曜
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