先日、思いがけず立派な竹の子を思いがけない人から頂きました。
筍は好物です。色々調理法を変えて楽しんでおります。
その日から、なぜか若い頃通っていた料理学園の園長先生の事を思い出すのです。
不思議ですね。何十年も経っているのに。
もう亡くなられた事はニュースで知りました。
人生で何人ものお世話になった先生がいる中で、今も鮮明に覚えている先生です。
お名前すら忘れてしまった先生もいますのに、
良い先生とは、生徒の記憶にいつまでも残る先生だと思いました。
今も有るかは知りませんが、金沢市横安江町に有った牧野料理学園の牧野美智子先生です。
食いしん坊で料理が好きな私は、人生初めての習い事に料理を選びました。
当時、牧野料理学園は校舎を新築して、そのモダンな(当時)校舎になってから最初の生徒でした。
テキストの表紙もフランス語で「エコール・ドゥ・キュジュネ・マキノ」
フランス語は「ボンジュール」ぐらいしか知らなかった私には斬新でした。^_^;
セピア色になった、このファイルを今でも持っている事に、自分でも感慨深いものがあります。
私は今日までで6回の引っ越しを経験しました。
引っ越し1回する毎に、半分くらいの生活用品を廃棄して来ました。
それでも、この料理学園のファイルを捨てなかった自分の心理に、牧野美智子先生の存在があります。
色白で、いつもニコニコしてらして、先生に会えるから学園に通うのが楽しみでした。
やや、ふっくらした体型の先生は、美味しい竹の子の見分け方を
「ズングリムックリした、私くしのような形のが1番美味しゅうございます。」
とユーモアを交えて教えて下さいました。
そして、その通りをテキストにメモってありました。
自分ながら真剣に学んでいた様子がペンで記されています。
普通の学科を1年で卒業して、翌年は西洋料理科を専攻しました。
それを終了後、次は日本料理科を専攻、無事終了。
更に中華料理科へ進む予定でしたが、結婚と言う人生の転機があり、断念しました。
将来は料理関係の進路をと淡い夢も有りましたが、夢で終わりました。^_^;
何年経っても、教え子の記憶に残っている先生こそ本物です。
今は先生もサラリーマン化して、本当に立派な先生が少なくなった気がします。
先生だけに有らず、死後も人の記憶に残る人を目指さなきゃですね。
「何年経っても会いたい」、誰かの、そんな人になりたい。